シラク大統領が大相撲を観戦したときとトランプとでは何が違うのか?

アメリカ合衆国のトランプ大統領が5月末に来日することが決まったとのことです。

トランプ大統領は今回の来日に合わせ、令和初となる5月場所で大相撲観戦をすると話題になっています。また、観戦をするのは千秋楽の予定とのことです。


もしかしたら大相撲の観戦だけでなく、優勝力士の表彰もするかもしれない!と輪をかけて話題になっています。

ところで、なぜ?トランプ大統領が大相撲を観戦することがこんなにも話題となるのでしょう?


一説では

「マス席(溜席)椅子をおいて観戦すると土俵から落ちてきた力士につぶされケガをするのではないか?」

「イスに座るにしても、マス席 (溜席) では警備上の問題があるのではないか?」

などトランプ大統領を心配する声が上がり、話題になっているようです。

ところで、一国の大統領が大相撲観戦をすると言って思い出されるのは、フランスのシラク大統領です。

シラク大統領が大相撲を観戦した時と今回のトランプ大統領が観戦するのでは何が違うのでしょうか?

その答えがシラク大統領のことを調べることでわかるかもしれない!と思いましたので、シラク大統領について調べてみました。

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ジャック・シラク大統領とは

シラクジャック・シラク氏は、1932年11月29日生まれで第22代大統領フランス共和国の大統領です。

任期は、1995年5月17日から2007年5月16日の12年間大統領を務めています。

フランスでは大統領の任期は当初は1期7年でしたが、2000年から1期5年に変更となっていますので、通算2期務めたことになります。

政府高官の時代から「ブルドーザー」の異名がつくほどかなりパワフルな人だったようです。
また、大統領就任した直後の1995年5月には、核実験を南太平洋のムルロア環礁で強行しています。

当時は、包括的核実験禁止条約が締結される直前であったこともあり、「駆け込み実験」だと世界中から非難を浴びています。

そのため、風刺や皮肉を込めて贈られるイグノーベル平和賞を「ヒロシマの50周年を記念し、太平洋上で核実験を行った」との理由によりその年に受賞しています。

その後も精力的に大統領の任務をこなしてきたシラク大統領ですが、欧州統合に対する国民投票の失敗や2012年夏季オリンピック招致の失敗などにより、国民からの求心力を失ったシラク大統領は、さすがに3選目をあきらめ2期で引退をしています。


日本大好きシラク大統領

シラク大統領は親日派でも知られており、大統領在任中の12年間だけでも50回近く来日しています。また、同時にかなりの知日派としても有名であり、数々のエピソードを残しています。

親日派と知日派の違い

ところで、親日派知日派という言葉が出ましたが、この言葉を同義的に使われている場合と、「親日」と「知日」それぞれを別な意味として使っている場合があります。

つまり、日本に対して友好的または親和的な感情を持っているという場合は「親日」といい、歴史や経済、文化など日本の実情について精通している場合を「知日」と表現することがあります。

例えば、日本の経済や文化のことについてとても詳しく知っているが、敵対的な感情を持っている人の場合は「知日派で反日的な人」と表現する場合があります。そのため、「知日派」と言われる人々がすべて「親日」ではないため、注意が必要です。

そういった意味では、シラク大統領は「知日派であり親日的な人」と表現することが正しいのかもしれません。

日本通なエピソード

  • 1985年の『第9回アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ)はパリが決勝地だったが、これはその当時パリ市長だったシラク大統領が招致。自らも出演していた。
  • 大相撲パリ公演をパリ市長として、フランス大統領として主催
  • 1991年に当時の小渕首相から明治神宮に貴乃花が奉納した「綱」と「軍配」をプレゼントされる。当時の贔屓の力士は「琴錦」
  • 「SUMOU(スモウ)」という名前を付けた犬を飼っている
  • 在任中、駐日仏大使に大相撲の取組結果を場所中は毎日報告をさせていた
  • 来日した時は大相撲観戦を済ませたあとに要人との会談。
  • 温泉が大好き!来日した時には温泉につかっていた。グッドリゾート淡島ホテル(静岡県沼津市)の温泉をひいきにしていたとも。
  • 2000年から大相撲の幕内最高優勝力士にフランス大統領杯(現:日仏友好杯)を授与
  • 2003年のイラクで日本人外交官2人が殺害された事件や2005年のJR福知山線脱線事故が起きた際に当時の小泉首相に弔意を表明
  • 「土偶」「埴輪」と説明をした通訳の間違いを指摘。
  • 悠仁さまが出生されたときは、いち早く祝賀メッセージを送付
  • 東京オリンピック、ラグビーワールドカップの日本誘致を応援

などなど、主なものだけでも、かなりのエピソードがあげられました。これらのエピソードをみるだけでも、シラク大統領の日本に対する思いがとても伝わってきます。

シラク大統領が日本を大好きなことは理解できましたが、どうして日本が好きになったのでしょう?

それは、幼いころの体験にその理由があるようです。


幼少期の体験で日本が好きに

幼少期にパリにある「ギメ美術館」で東洋美術に触れたことが日本に興味を持ったきっかけとのことです。

「ギメ美術館」には、インドから中国、そして日本に伝来の軌跡に沿って仏像や香華品などの仏教美術の作品や埴輪などの歴史的資料などが多く展示されています。

そこに展示してある日本人が作った漆器や螺鈿などといった工芸品や埴輪などが、きっと幼いシラク少年の心に深く刻まれたことと思います。

そうして、日本への好奇心が高まったシラク少年は、『万葉集』などの日本文学に傾倒していったようです。

シラク大統領は自身の「回想録」のなかで、「日本に行くたびに、ギメ美術館で仏像を鑑賞していたころの感情に戻る」とギメ美術館に通っていた高校生のころについて記しています。

そして、2000年12月にシラク大統領は生まれ故郷のサランに「ジャック・シラク大統領博物館」をオープンしています。

その博物館には、前述の小渕元首相から贈られた「綱」や小泉元首相から贈られた「能面」のほか、弓道折り紙などの日本の文化に関する展示品や浮世絵などの美術品なども収蔵、展示され、また、「KIMONO(着物)」をテーマにした企画展示なども行われていたようです。

これらの展示品が、フランスの子どもたちに影響を与えて、第二、第三のジャック・シラク氏のような新知的な政治家が誕生するかもしれません。

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トランプ大統領とシラク大統領ではなにが違う?

今まで、シラク大統領についてみてきました。

シラク大統領について調べてみると、日本に関わるエピソードをみるだけでも、かなりの日本ツウであることがよく理解できますし、なによりも自ら博物館を設立するなど、芸術に対する強い思いがあることがつたわってきました。

さて、本題に入りますが、

通常、天皇陛下をはじめ国賓のかたが大相撲を観戦される場合は、正面2階に設定された「貴賓席」から観戦することになります。

しかし、トランプ大統領は「貴賓席」ではなく、枡席、正式には「溜席」と言いますが、その溜席からの観戦をすること、また、枡席に椅子をおいて観戦する可能性があり物議をかもしだしています。

トランプ大統領の大相撲観戦の問題点

今回のトランプ大統領の枡席にイスをおいて椅子に座って大相撲観戦をした場合に問題視されている点についてふり返ってみると、ひとつが警備上の問題、そして、ふたつめとして、落ちてきた力士で怪我をする可能性についてでした。

両国国技館は会場全体がすり鉢状になっており、そのすり鉢の底にあたるところに土俵があります。

枡席も当然、すり鉢の底にあるため、他の席からは見下ろす形になります。

両国国技館の収容人数は11,098人。枡席は2,600席と言われていますので、約8,500人から見下ろされる形になります。
そのため、椅子に座るにしても枡席は周囲から狙われやすい位置になりますので、警備上の問題が発生してきます。



枡席(溜席)は危険?

また、枡席と土俵との距離はほんの1.3メートルほどですから、押し出された力士がお客さんの上に落ちてきているところをテレビで目にすることがあります。

トランプ大統領が枡席で観戦する場合、一番前で観戦することも想定されますので、当然、トランプ大統領の上にも力士が落ちてくる可能性があり、ケガをするのではないか?との心配の声が上がっているわけです。

そこで、一般のお客さんの場合はどうなのか?ちょっと調べてみました。

一般のお客さんの場合は、警備上の問題はありませんので調べることはしませんでした。

しかし、枡席で落ちてきた力士でケガをすることはありますので、ケガをした場合の治療費などについて調べてみました。

いままでどのくらいの人がけがをしたのか調べてみましたが、そのデータは見つかりませんでした。

しかし、日本相撲協会のホームページで確認をすると、枡席(溜席)での観戦をする場合は
「座布団などの飛来物や土俵から落ちてくる力士に気を付けるように」との記述がありますので、観戦する側が気を付ける必要があるようです。

ただ、以前、元横綱の日馬富士に押し出された力士が土俵から転落し、溜席にいた男性客と接触。その男性客が救急搬送されたとの記事がありました。
その男性客のケガの程度などの詳細は不明でしたが、いずれにしても危険であることは変わりないようです。

でも、トランプ大統領の場合は、力士が落ちてきた場合でもSPがしっかりと守ってくれるので大丈夫と思います。

シラク大統領の観戦方法は?

日本ツウでかなりの好角家でもあるシラク大統領ですので、当然、枡席や砂かぶりと言われる溜席で観戦していたと思いました。

ところが、過去の記録を調べてみてもイス席で観戦をしているものしか見つかりませんでした。

シラク大統領自身は、大の相撲ファンですので、当然、できるだけ近くで観戦できるマス席や溜席での観戦を希望したことと思います。
しかし、やはり警備上の問題があったのでしょう。イス席での観戦となっていたようです。

前述していますが、シラク大統領は水爆実験を強行したため、その行為に反対する勢力から狙われる可能性は高かったと思われますので、ご自身の思いはあったのかと思いますが、イス席での観戦にしたのには、警備上の問題を承知したため、自重されたのだと思います。

トランプ大統領とシラク大統領との違い

このように好角家のシラク大統領ですら、自身の思いをまげてイス席の出観戦となっていました。
しかし、今回のトランプ大統領は、シラク大統領でも叶わなかった「枡席」での大相撲観戦、しかも枡席にイスをおいて椅子に座って観戦という、昔の江戸っ子が目をひん剥いて文句を言いそうなことを行おうとしています。
そこには、いったいどのような違いがあるのでしょうか?

警備体制に自信がある?

シラク大統領とトランプ大統領を比べた場合、言い方は悪いですが「敵」が多いのは圧倒的にトランプ大統領です。

トランプ大統領自身のヘイトスピーチまがいの発言や中国との貿易摩擦の問題、また、アメリカ合衆国に対する敵対心を持つ国の人々、ちょっと考えただけでもトランプ大統領が狙われる理由がいくつも挙げられます。

しかし、そのような中であえてシラク大統領も断念した「枡席」での大相撲観戦をしようとするのには当然起こる警備上の問題点に対して対応が可能との判断があると考えられます。

両国国技館の形状やマス席の危険性については、素人の私が考えてもわかる話ですので、大統領を守るSPたちが気が付かないわけがありません。
当然なにかしらの対策を練って、安全に大相撲観戦ができるようにしているものと思われます。

シラク大統領が観戦したころに比べ、かなりの技術が発達しています。
例えば事前に危険人物の動きを把握し排除できるなど、その当時にはできなかったことができるようになっているのかもしれません。


日本とアメリカとの関係

警備体制に自信があるとしても、危険性は「ゼロ」ではないはずです。
それでもマス席での観戦や表彰をするということは、それだけメリットがあるかではないでしょうか。

つまり、トランプ大統領にとっては、日本の国技で自身の名前の付いた賞を授与することができたことで、来年の改選に有利に働くことが見込めますし、日本にとっても不透明なアジア情勢のなかアメリカとの友好関係が強いことを内外にアピールできることは重要なことと思います。

シラク大統領はかなりの親日派で日本に対して友好的ではありました。

しかし、シラク大統領はフランスの大統領でした。アメリカではないのです。

日本はアメリカに一時は占領された国です。また、現在もアメリカの軍備の傘の下で平和な社会を保っています。

つまり、日本とアメリカは他の国にはない関係性があるのです。

アメリカに頭が上がらない!とまでは言えませんが、それでも、やはりほかの国とアメリカとでは、日本の政治家の気の使いようは違うと思います。
そこが、シラク大統領とトランプ大統領との決定的な違いだと思いました。

まとめ

トランプ大統領が来日に合わせ大相撲観戦をすることをきっかけにシラク大統領について調べてみました。

シラク大統領について調べててみて、今までご紹介したとおり、日本に対して造詣の深いかたですので、本当ならばトランプ大統領ではなく、シラク大統領を砂かぶり席に座らせてあげたい!そんな気持ちになりました。

実際のところはわかりませんので、私のイメージですが、トランプ大統領が日本の相撲についてどこまでの知識があるのか疑問です。

ただのイベントの一つとして考えているようにしか見えないのは私だけでしょうか?
でも、もし、よくご存じであるのなら申し訳ありません。

しかし、シラク大統領は自身の「回想録」の中で相撲について
「戦いの前に、2人の力士が相互ににらみ合う視線以上に強いまなざしを知らない」
と仕切りの間合いや奥深さについて語っていますが、トランプ大統領にここまで語ることができるのでしょうか?


令和になっての初めての場所ですが、土俵の外でも話題が満載の場所となりそうです。

ちなみにトランプ大統領は大相撲観戦のあとは安倍総理といっしょに炉端焼き屋に行くことになっているそうです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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